控訴審
第11回 口頭弁論イラスト



●開廷前●
午後1:44

まだ傍聴券抽選に並んだ人達が一人も戻って来ません。廊下には係の方が2人待機して下さっています。誰もいない法廷に一番乗りもいいかもしれない、係の方に入廷していいかどうかお聞きしました。

午後1:45 原告のみ入廷。廷吏の方が準備中でした。学校の教室に一番早く来た、あの雰囲気を思い出します。いつも眺めていなかった天井などを拝見、やっぱりきょろきょろしてしまいます。
午後1:46 係、廷吏、机・椅子を搬入。準備の確認中。
午後1:47 廊下が急に騒々しくなってきて、傍聴を手に入れた人達が来ました。
係の方
【係の方】
傍聴人が来るようになったので、係の方2人は法廷の入り口に移動しました。法廷入り口の廊下側と法廷側にお一人ずつが立ちます。こうしていただくことで、抽選違反はできないことになります。イラストはそのうちの法廷側に立って下さった方です。
午後1:50 ニコン代理人、入廷。
午後1:54 原告代理人 大森弁護士、入廷。
午後1:55 原告代理人 川人弁護士、入廷。
午後1:57 係の方 「途中で鳴りますと審理の妨げとなってしまいます。携帯の電源はお切り下さい」
この連絡の最中に、原告代理人 山下弁護士、島田弁護士、入廷。
午後1:58 アテスト代理人 入廷。
午後1:59 原告、原告代理人、被告代理人、それぞれの署名も終了して開廷準備OKになりました。

●開廷●

午後2:00 今日は午後2:00前の一瞬、法廷内が静寂に包まれていたので、裁判官入廷直前の靴音がはっきり聞こえてきました。新発見(なぜか新鮮)。正面のドアが開いて裁判官3人の入廷です。

廷吏
【廷吏】

「起立願います」「平成17年(ネ)第2265損害賠償請求控訴事件」「第一審原告 上段さん、川人代理人。第一審被告 河本代理人、粕谷代理人」

この後、被告代理人からまだ到着していない代理人がいるので待ってほしい、別件の裁判が長引いているという説明がありました。裁判長の判断で待つことになりました。
待っている間は、ことのほか静寂があたりを支配して、きょろきょろもおしゃべりもする雰囲気ではありません。書類をめくるかすかな音だけが流れます。


午後2:06 別件の法廷で遅れていた被告代理人、入廷。

裁判長
【裁判長】

証拠調べ終了の後、それぞれの代理人に口頭での説明をするよう話がありました。そして裁判の最後に、裁判長から「・・これからは判決書きの作成に入りたいと思います」。
傍聴席からざわざわと感動波?!が来たように思いました。


次回裁判日程も決まり、その前後のことも決まりました。
最後に裁判長が。「それでは本日はこれで終わります!」(とっても元気なお声です)
〜みんな丁寧に、礼!〜
―廊下で―
「いや〜、よく分かった」
「朦朧(もうろう?)と聞いてるんじゃないからね」
「それぞれの弁護士さんの言うことも、分かった」
「声の大きいのはいいね!!」(ちょっと笑いが。年配者もいるので助かります)



●報告会●

弁護士会館は少し狭いお部屋になりました。本日、どの部屋も盛況で大きな部屋の確保は叶いませんでした。少し暑めのこの日、汗が吹き出る中でお話をうかがいました。ニコン側の主張である“電通事件”での解釈や、日本産業衛生学会に対する意見など詳細な説明をしていただきました。
本日の傍聴人の中にその日本産業衛生学会の関係者がいました。ニコン代理人から「同会の基準(交替勤務に関するもの)は一般的なものではなく、厚労省研究班中間報告でも扱われていない、実際の産業界も実施していない」旨の仰天主張があったので、腹が立って仕方がなかったという発言がありました。
気持ちがよ〜く分かるのでみんな同情しましたがなぜか笑いが起きました。発言の後でご本人も笑っています。すごいなぁ、学会をあんなふうに言っていいのかなぁ・・。でも・・ウフフ・・。すご過ぎて笑うしかない、だったのか。

今回も「偽装請負 労災死民事裁判」原告の飯窪さんが来て下さっていました。いつも遠路お出で下さって申し訳ないぐらいですが、久々にお会いできるのも嬉しいので感謝していました。その飯窪さんと同郷で、やはりご子息を過労死で亡くされた杉山さんご夫妻も来て下さっていました。
杉山さんのご子息は、就職から1年あまりの月日(2000年5月に仕事を開始し、2001年6/7死亡)で、命つきてしまいました。どのように褒められ、期待されたとしても、就職したばかりの状態は、先輩方に教えていただき見守っていただいて初めて、その素質が育つものと思います。労働法も何も届かない中に入ってしまった時、若年労働者はひとたまりもありません。
「若年労働者 過労死民事裁判」の欄に杉山さんのHPを直リンクさせていただきました。ご覧になり、裁判の行方に大きなご支援をお願いします。

若年労働者 過労死民事裁判

(平成19年9月13日)