第174回国会 予算委員会 第5号
平成二十二年三月四日(木曜日)
午前九時開会
・・・【中略】・・・
本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
院送付)
○平成二十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
院送付)
○平成二十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
衆議院送付)
・・・【中略】・・・
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
・・・【以降、途中まで略】・・・
○近藤正道君 危機的な雇用失業状況がとりわけ若者を直撃しております。大学新卒者の就職内定率が、去年の暮れの時点でありますが七三%、高卒新卒者の内定率は約七五%、まさに第二の就職氷河期とも言われております。去年よりもずっと悪くなっているわけでございます。
意欲がありながら働く場のない若者の学校卒業がどんなに切ないものなのか、私は学校の先生方から何度も聞いておりまして、とにかくこれを何とかしていただきたい、社会人としての人生のスタートに希望を持てるように政治でやっぱり頑張ってもらいたいと本当にたくさんの皆さんから言われております。
改めて、今の新卒者、そして若者の雇用の実情と対策、そして、どこへ行っても言われるわけでありますが、もっと新しい対策はないのかと、そのことについて皆さんからお答えをいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(仙谷由人君) おっしゃるとおり、大学の予定者で七三ポイント、昨年に比べると七・四ポイント減であります。高卒予定者で七四・八ポイント、非常に厳しい内定率というふうに考えております。
再びロストジェネレーションというんですか、こういう状況をつくらないようにするために、昨年、緊急雇用対策本部の下に新卒者支援チームというのを設置して、新卒予定の学生生徒の就職支援の強化については検討もしてきましたし、対策を練ってきたところであります。
この間、関係府省によります就職支援体制の強化といたしまして、大学等において就職相談員の配置を促進をしてもらう、それからハローワークにおいては高卒・大卒就職ジョブサポーターを更に増員する、それから就活支援キャンペーンを展開する、そういう取組をして、一人でも多くの就職者が決まるように支援策を講じてきておるところでございます。
また、就職が決まらないまま卒業する学生生徒に対しましては、体験雇用を通じて正社員への移行を目指す新卒者体験雇用事業、そういうものをつくりたいと。それから、未就職卒業生向け職業訓練コースの新たな設置及び訓練・社会支援給付に係る対象者を拡充すると。それから、今春の新卒者五千人を対象とした中小企業におけるインターンシップを実施する新卒者就職応援プロジェクトの推進という施策を講ずることといたしております。
近藤議員にもお願いをしたいんでありますが、一つは、高校あるいは大学も含めて、やっぱり産業構造が大きく転換しつつあると。だから、一流大企業に就職する、特に製造業、輸出業、大企業の関連企業に就職したいということだけをお考えになって、地域あるいは中小企業ではまだまだ求人もある部分も多いわけでありますけれども、ちょっとやっぱりえり好みをされておるとなかなかこれ就職できないと。そういうことに学校の就職指導の先生も、あるいはキャリアコンサルティングというんですか、キャリアカウンセリングというようなところが日本はまだまだ乏しゅうございますんで、そこを政策としても急ぎ拡充しなければならないということは間違いがないわけでありますけれども。
さらに、この職業訓練、職業教育の世界がもう少しやっぱり時代に即した、つまりマーケットフレンドリーなものを用意しなければ、ちょっと今ずれているなという気がいたします。
そのことについて、現場に合わせた提案を先生方にも持ってきていただきたいと思いますし、それから、受皿を至急つくっていく、これはもう必死の思いでつくっていかなければいかぬと、そういうふうに、これはもう新卒と新卒以外の方々についてもそういうふうに思っておりますので、是非いろいろ御協力、御提案をいただきたいと思います。
○近藤正道君 男女の雇用、働き方の格差も大変深刻でございます。
福島大臣にお尋ねをしますが、これらの解消にはいわゆるポジティブアクション、積極的な格差是正策、こういうものを積極的に取り入れる必要があるというふうに思っておりますが、男女共同参画担当大臣としてどのような政策を検討されているのか、お聞かせください。
○国務大臣(福島みずほ君) 男女共同参画やワーク・ライフ・バランスに取り組む企業を応援する、評価して応援するというのは、実は自治体はかなりやっております。例えば、二十七都道府県、三政令指定都市、十四市町村で公契約におけるポジティブアクションを実施をしております。それが、例えば福島県、兵庫県などいろんな自治体から話を聞きました。男女共同参画に関する企業の取組を後押しする仕組みを導入した結果、企業経営者の意識と企業が変わったというふうに報告を受けています。
おっしゃるとおり、日本は女性の活用に本当に失敗している、なかなかこれ成功していない国だと思います。内閣を挙げて女性たちを応援する、もちろんそれは男性を応援することになるわけですが、その仕組みをやっていきたいと思っています。
それで、内閣府で来年度四月に、民間部門での男女共同参画の取組を進める仕組みとして、政府として初めて、企業に男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスの調査を依頼するときに、女性の雇用率やそれから男女共同参画の推進に関する方針の明文化など取り組んでいる企業を公共調達の際に総合評価の加点事由として評価項目に盛り込むことにしました。
私はこれは花よりだんご政策と名付けていて、企業がやはり事業を受けたいわけですから、女性を活用するということがメリットになる、インセンティブになるという政策をやっていきたいというふうに思っています。内閣府において、それがうまくいけば、それ以外の一般競争入札案件への適用についても検討してまいりたいというふうに考えています。これがほかの役所や様々なところに広がるよう、公共調達におけるポジティブアクションから始めます。
○近藤正道君 午前中に環境配慮という議論がありましたけれども、男女の共同参画、積極的な格差是正策をこれに加えるということになると、大変またいいことだというふうに思っております。
今ほど福島大臣が、他の省庁にも広がっていくといいという、こういうお話がございました。国交大臣あるいは総理、どうでしょうか、内閣府で、福島大臣のところで始まったこの新しい流れ、省庁全体の公共事業だとかあるいは公共調達に広げていただけますでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) 近藤先生の御質問でございますが、平成二十年度におきまして、全産業における女性の占める割合は四一・六%、それに対して建設業は一四・五%ということで、確かに低うございます。また、事務系が二三・四%で、作業者、機械運転とかそういった方になると二・五%ということであります。他方、公共事業というのは、技術力そして経営力、価格、こういったことを総合的に評価をするということでございまして、女性の比率というものを例えば総合評価方式に入れるというのは、現時点においてはなかなか難しいかなと思っております。
いずれにしましても、御党の辻元副大臣がおられますので、辻元副大臣中心に少し勉強させていただこうと思っております。
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、建設業に対してなかなか女性が増えていかないという話がありました。
女性でもクレーンに乗れる議員もおられるぐらいでございますから必ずしもそうではないかとは思っておりますが、私どもとして、まずは内閣府でどこまでうまくいくかということも検討させていただきながら、このようなポジティブアクションというものは、やはりある意味で政府全体の、あるいは国全体のパワーをアップさせる発想でありますから、前向きにとらえてまいりたいと思います。
○近藤正道君 福島大臣が風穴を空けるようでありますので、是非内閣全体に拡大をしていただきますようお願いをしておきたいというふうに思っています。
・・・<以下省略>・・・
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