今後の裁判日程





H20.9/16 (火) 控訴審、第15回口頭弁論 (結審・最終弁論)
午後1:30 808法廷
 

裁判に先立つ傍聴券の抽選には、かなりの方が外れてしまいました。今日来てすぐ当たった方もいたのに、ずっとお出でいただいても、またまた外れてしまった方もいて、本当に恐縮しました。
本日は結審でもあり、最後の「口頭弁論イラスト」は念入りにと張り切ってもらっていました。しかし、担当者にアクシデントがあって最後のイラストは出来なくなってしまいました。こちらも本当に本当に残念でした。

裁判は事前の書面整理から始まりました。(準備書面の陳述)
原告からは第19準備書面、第20証拠説明書、甲193〜197号証を提出しました。被告からはニコン第10準備書面、アテスト第11準備書面が提出されました。

〜陳述の後、最終弁論になりました。〜
(1) 最初に原告の弁論。
【控訴審・原告最終弁論の項をご覧下さい】

最終弁論は、被告が先だと思い込んでいたので、一瞬ぽかんとしてしまいました。控訴審を通じて思ってきたこと、控訴の理由、最後に思うことをお話しました。

(2) 続いて原告代理人・川人弁護士の弁論。
【弁論要旨】

この裁判は控訴審で3年以上にわたって審理されており、異例の長さで進められた。非正規雇用は年々多くなり、労働として健康・安全面は大変危険な状況になっている。控訴審の間に偽装請負は社会的な問題になった。
この2月には東京地裁で請負労働者の労災死亡事故の原告勝利判決がおりた。被告2社は控訴せず判決は確定している。又、先日8月20日には、厚労省が派遣労働者の労災事故が多くなったことを発表した。

海外でも非正規労働が広がっており、派遣労働者の安全・衛生は社会的に大きな問題となっており、当裁判を取材したジャーナリストはILOの特別表彰を受けた。本件の控訴審は21世紀の労働者の生命と健康のゆくえに大きな影響を与えるものである。
この控訴審では例外的に多くの期間をかけて審理がなされてきた。充分に審理を尽くしたと考える。公正な判決を望むものである。

(3) 次にニコン代理人・牛嶋弁護士の弁論。
【弁論要旨】

  原告がこれまで書面で指摘してきた裁判例に関して、原告主張の間違いを指摘した。(先立って提出のニコン第10準備書面、全面に渡って主張されている)
  勇士にうつ病の事実はない。過重な労働はなく、予見可能性もない。
  安全配慮義務違反もない。
  前回の勇士の父の証言には多くの矛盾がある。アテストが言及しているがその通りである。

(4) 次にアテスト代理人・粕谷弁護士の弁論。
【弁論要旨】

  本件は、主として客観的事実の認定をお願いしたい。
  (先立って提出のアテスト第11準備書面は、前回の勇士の父親の証言に関して詳細に言及。
  勇士の父の証言と原告のこれまでの証言には、合わないことが多々あると主張している)
 
〜〜〜弁論終了後
都築弘裁判長から「弁論終結」、「判決日時は追って知らせる」と告げられました。
さらに、
「当審が最終の事実審である。職権により和解を勧告したい。小海裁判官に受命します。後で調整をはかります」と告げられました。

傍聴席から不思議な波動?がやってきました。分からない・・?、え?・・え!?、というような不思議な反応です。原告もまったく同じ雰囲気の中にいました。

〜〜〜〜〜〜報告会
弁護士会館の2部屋を合わせた会場で、午後2:10から始まりました。
報告会場にいた方に挙手してもらうと、とても多くの方が傍聴券に外れていたことが分かりました。
川人弁護士の提案で、先ほどの原告最終弁論と原告代理人の最終弁論を再現することになりました。

原告最終弁論再現に当たって、やはり裁判長を見て話さないと調子が出ないので、会場席の正面にいる方を裁判長に見立ててお話することにしました。
私の正面の方は大変お若い方のように見えました。私の目には勇士とあまり変わらないように映りました。(落ち着かないお役目、大変ありがとうございました)

再現の後は、質問がたくさん続きました。やはり、なんと言っても「和解の勧告」
についてが多くなりました。さらに「職権による・・」とはなんだろう、というものでした。
かなり詳細に、しかもご自分の正直な感想も含めて聞いた質問も出たので、私にはとても参考になりました。
人によって、これだけ感じ方も違うし、受け取り方も違うのだなぁと思いながら聞きました。あまりに率直で笑いも出てしまいましたが、それも非常に印象に残りました。