ニコンに反論
(1)勤怠状況
・乙121引用部分。事実に反する。乙49と違っている。
・2月22日、23日以降も2月26日、27日、3月3日と無断欠勤しており、3月5日以前の勤怠は明確。極めて重大なうつ病・自殺サインである。
・うつ病にも表現型は様々あって、ニコン主張のような場合もあれば、そうでない場合もある。
・自殺労災訴訟事案のほとんどは、ニコンが主張するようなケースは少数である。
※本書面末尾添付表
添付表のとおり、本件を除く40事案のうち、「勤怠が極めて不規則になり欠勤が多くなって」いるケースは、多くみても約10事案(25%)であり、残りの約30事案(75%)は、「勤怠が極めて不規則になり欠勤が多くなって」いるケースではない。
・作業能率の低下は、うつ病で見られるがそれがないからと言って、うつ病を否定する根拠にはならない。外から見て作業能率の低下がないことも多々あるということである。
平成13年2月19日頃には、「理科の簡単なものがわからなくなっている」と話しており、作業能率がある程度低下していた可能性がある。
(2)食欲不振
・食欲不振に陥っていなかった例として台湾出張と宮城県出張を挙げているが、勇士のうつ病発症時期以前のことがらである。
・宮城県出張の表は、勇士が昼食・夕食をまともに取っていなかったかを証明するものである。
(3)健康悪化と医証
・原判決も認定したように、被告らが法定健康診断を実施しておらず、結果、うつ病に罹患した後の健康診断結果が存在していない。実施していれば体重減少など確認され、心身の変調が診断された可能性が高い。
・平成10年春の健康診断で異常が発見されないと主張しているが、この健康診断は医師の診察所見もなく尿検査のみ。これをもって異常なしとは、到底言えない。
・うつ病等精神疾患の治療記録がないからと言って、うつ病に罹患していなかったということにはならない。
本書面末尾添付表のとおり、自殺労災訴訟事案のほとんどは、自殺前のうつ病罹患が認定されているが、40事例で見ても、精神科を受診したケースは10事案(25%)にすぎない。
(4)健康悪化にかかわる申し出
・申出を一切おこなっていないことを、うつ病罹患否定の根拠にしているが、平成11年2月22日、23日に欠勤するにあたって、ニコンに「体調不良」を伝えている。ニコン上司の陳述がある。
・アテストの上司Sが健康悪化について陳述している。
・ 非正規雇用の身分から解雇につながる危険が高いため、自覚症状があっても、平成11年2月22日頃までは、健康悪化を申出することを躊躇したと推察できる。
・成人している労働者の親が、健康悪化を会社に申し出ることは通常行われないことであり、原告が申出を行わなかったことは不自然ではない。電通事件最高裁判決にも「(両親が)勤務状況を改善する措置を採り得る立場にあったとは、容易にいうことはできない」と判示している。 |