Q1: |
なぜアテストが、父が証人になることにこだわるのか分かりません。離婚のせいで、母の受け取り分が半額になったとしても、判決が確定すれば、父にも自動的に半額が支払われるわけでしょう。それぞれが受け取るんだから、勇士君の命の額は、結果的に半分にはならないと思いますが。 |
A: |
母が起こした裁判なので、確定した場合、母が半額を受け取って終了です。勇士の父には受け取る権利はありますが、権利を行使するには、父が新たに独自で裁判を起こし、賠償額決定の判決をもらう必要があります。(母の裁判と同じことが必要)
現実的には難しいことなので、被告はそれを狙っての主張です。 |
Q2: |
途中から父も原告に加えたら面倒がないのではないですか?一緒に受け取れますよね。 |
A: |
同一訴訟で原告を途中から増やすことは、法律上困難です。 |
Q3: |
父の『遺産相続放棄』が認められるとどうなりますか? |
A: |
母が起こした裁判でも、父が『遺産相続放棄』をしているので、母の受け取り分は全額になります。被告にとっては賠償額が半分で済むか、倍になるかの違いであり大きな問題です。 |
Q4: |
時効の問題というのがありましたが、結局どういうことなのかよく分かりません。 |
A: |
これは簡単すぎても分からないし、難しすぎてもやはり分かりません。原告の控訴審第16準備書面にそって概略を説明します。
アテストは、父の相続分について消滅時効が成立していると主張しています。しかし、民法712条「損害及び加害者を知った時」とは、加害者に対する賠償請求が事実上可能な状況のもとに、その可能な程度にこれを知った時であり(最高裁判例、昭和48.11/16)、勇士の父が知ったのは遅いので、時効消滅ではないと、原告は主張しています。
さらに原告は、本件提訴時より、勇士にかかる相続財産である被告に対する損害賠償請求権の全体を訴訟物としていたので、父の相続分についても、提訴時に請求(民法147条1号)による時効中断が生じている、と主張しています。
遺産分割が遡及効を有すること(民法909条)、一部請求の趣旨が訴状に明示されていない場合には訴え提起による時効中断の効力は、訴訟物たる債権の同一性の範囲内でその全部に及ぶ(最高裁判例 昭和45.7/24)等に照らしても、消滅時効が成立する余地は全くない、と主張を重ねました。 |
Q5: |
父はどちら側の証人ということになりますか?アテストが証人を呼んでほしいと要求しているので、アテスト側証人ですか?アテストが主尋問をするっておかしい気がしますが。 |
A: |
証人は事実を証言することが求められるのであって、原告か被告の弁護のために証言するのではありません。したがって、どちら側ということが決まっているのではありません。
たとえば、東京地裁で第3回、口頭弁論内容(H15.1/30)の証人:元ネクスター社員(営業)S氏の時です。この方は当時のネクスター熊谷営業所の所長という肩書きで、勇士の上司でした。尋問は原告側、被告側の順に行なわれました。今回の尋問の順番は、今後決定となります。 |