控訴審
第14回 口頭弁論イラスト
―証人尋問 勇士の父―




●開廷前●
今日は何かと落ち着かなくて・・。
まだ廊下に係の方が見えていないので、中の方にお声をかけて入廷させてもらおうかな、ドアを押してみました。が、びくともしません。しっかり施錠されています。扉には傍聴券についてのお知らせが大きく張り出されていました。
午後1:00過ぎ

係の方、廊下で準備中

午後1:10

男性が入っていく。もう、いいかな・・。

午後1:12

原告、入廷。廷吏の方、既に忙しそうに準備中。

午後1:13

アテスト代理人、入廷。尋問時の立ち順?等、座り位置等を相談する、忙しい打ち合わせの声が聞こえてきました。

午後1:16

山下弁護士入廷

午後1:17

川人弁護士、島田弁護士、勇士の父、入廷
同時に傍聴人の1人目、入廷

午後1:18

ニコン代理人、入廷
―気がつくと、川人弁護士、島田弁護士、勇士の父、被告代理人の一部、姿が見えない―
(後の勇士の父の話では、一旦控え室に行ったということです。そこで開廷前に、被告代理人方と一緒だったとか。なんともすごいです)

午後1:20

傍聴券を得た人達がたくさん入廷してきました。


【係の方】
午後1:24

廊下で係の方が、傍聴券番号を読み上げて整理をして下さっています。大きな声が法廷内まで響いてきました。【イラスト担当者は、実はこの日、抽選に外れてしまいました。途中で替わってもらい、入廷出来たのは裁判の後半でした。
そんなわけで。忙しい係の方の廊下での様子を、しっかり描かせていただくことができました。この時間帯、法廷内への人の出入りは一段とざわざわしました。

―係の方、法廷内へ―

 

「裁判所からの連絡事項です。審理の妨げになります。携帯電話の使用は出来ません。ご了承下さい。又、撮影・録音も禁止となっております。」
「傍聴券は閉廷後に回収します。途中退廷は券を返すよう願います」


【待合室の一角】

イラスト担当者同様、本日抽選からもれてしまった方々の様子です。裁判が終わるまで喫茶店に行った方、ここで待っていた方、他の法廷を探検された方・・、いつも応援ありがとうございます。後のお話からそれぞれに時間を過ごされて、報告会を待って下さったことを知りました。イラストからは「う〜ん、残念だった・・」というお声が聞こえてくるようです。

午後1:28

勇士の父、原告代理人、被告代理人、再度の入廷

午後1:29

―静寂― こんなにたくさんの人間が入っているのに、物音一つしません。(それぞれの頭脳は何を考えているのでしょう)

【書記官】
本日はお二人です。傍聴席から向かって左側は男性、右側は女性です。この静寂の中、スタートいつでもOK、の気迫を感じます。

●開廷●
午後1:30

(かすかに足音)正面のドアから、裁判官3人の入廷


【廷吏】

「起立下さい」「平成17年(ネ)第2265損害賠償請求控訴事件」「第一審原告、上段さん、川人代理人。第一審被告 株式会社ニコン 河本代理人、株式会社アテスト 粕谷代理人」―礼―

【都築弘 裁判長】

(この時点でイラスト担当者はまだ法廷の外です) 
「証人、上段さん 正面に」(父、正面の証人席に移動)
「記載通りですね」
父「はい」
「証人として遠路はるばるご苦労様です。双方から質問されます。裁判長の方を向いてこたえて下さい。内容は記録されます」

―父の宣誓のため、全員起立―
廷吏「起立下さい」
父「宣誓 ・・・・・・・上段※※」
(宣誓書は、読み上げる上でどなたにも不利益の無いよう、大きな文字で書かれてあり、漢字には全て振り仮名がつけられています)
「原告側から尋問します」「裁判長を向いてこたえて下さい」

午後1:33

原告代理人 川人弁護士の尋問が始まりました。離婚後の父の住所を戸籍附表をたどりながら質問していきました。仮住まいと登録住所との関係、故郷にもどった経緯と時期、勇士の死亡を知った時期、裁判を知った時期、借財に関する内容へと進みます。

午後2:03

アテスト代理人 粕谷弁護士の尋問が始まりました。(この途中からイラスト担当者が途中入廷できました)
離婚の原因、借財の額、学生時代、当時のマンションに関する件、離婚後の仕事について、転出の経緯、等々詳細な尋問が続きました。


【園部秀穂 右陪席裁判官・書記官・勇士の父】

イラスト担当者は被告代理人席の近くに座りました。そのアングルからのイラストです。園部裁判官がはっきり見える位置でした。傍聴席からはその右横に都築弘 裁判長、さらに右横に小海隆則 左陪席裁判官が見えていました。男性書記官の右側には女性の書記官が座っていました。アテスト代理人の尋問の最後の方での入廷だったといいますから、短時間の仕上がりです。(私には考えられない早業です)

午後2:33

ニコン代理人 牛嶋弁護士の尋問。遺産分割協議書を作成した経緯が尋問されました。作成時の様子、それまでに勇士死亡について聞いていたか否かについてと尋問が進みました。

午後2:45

再主尋問 原告代理人 川人弁護士から父の両親の他界の時期について質問。

【都築弘 裁判長】

「裁判所からは特にありません。長い間、大きな声でこたえていただき大変ご苦労様でした。これで尋問は終了しました」
勇士の父も大きな声でしたが、裁判長もとても元気なお声です。緊張して聞いていた傍聴席にホッとした空気が流れました。

この後、口頭で証拠調べがあり住民票などの書証の確認がありました。
「これをもって証拠調べ期日終了」が宣言され、次回、平成20年9月16日が結審・最終弁論期日となりました。



●報告会●


【川人弁護士】

弁護士会館は本日も2部屋を確保できました。さっきまでの気分高揚が続いているような、なにやら蒸し暑い部屋の中で、入廷できずに待っていて下さった方々と合流し、弁護士さんから本日の裁判の概要と、今後の流れをお話していただきました。
証人尋問に際しては、裁判所にも来た経験のない父に丁寧にアドバイスをいただきました。

【大森弁護士】

控訴審から当裁判に加わっていただきました。この裁判に傍聴に来て下さっている方の裁判も手がけていらっしゃるので、とても忙しい弁護士さんだとお聞きしています。控訴審では法律論が飛び交っている中で、尽力いただき力強く思って過ごすことができました。今後とも宜しくお願いいたします。

―結審の日は9月16日―
確か1年前の第11回 口頭弁論(平成19.9/13)に、「判決を書き始める」とお話がありました。あれから1年。ほんとに年月はあっという間です。

今回の裁判前日、6月30日。父と母は離婚後初めての再会をしました。2人でまっすぐ勇士のお寺に向かいました。その時のことをみなさんに少し聞いていただきました。
とっておきのサファイアブルーの花束を、父がしっかり抱きしめて行きました。
お寺におじゃました時間は小一時間。勇士と両親は18年ぶりの水入らずの時間を過ごしました。